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常識を疑え!

5Gの普及が推し進める「日本人・総受け身化」の予感

香山リカ(医師)

 歴史や記憶の消却や忘却。書籍など文字への圧倒的な不信感。
 なにも5Gの普及を待たなくても、日本ではすでに「目に見えるできごとにしか興味がない。歴史なんてウソかもしれない。文章、本、文字なんて読みたくもないし信じられない」という変化が起きているのではないか。いや、起きているというより、一部ではもうすっかり定着してしまったのではないだろうか。
 そしてこういう状況の中で、さらに「動画化」、「脱文字化」が進み、主体的に何かを調べようとはせずに、AIが勧めるものだけをひたすら受け入れる「受け身化」が進んだら、どんなことが起きるのか。
 せめて5Gが普及するまでのあいだに、正しい歴史教育の必要性や文字による知識の重要性を訴えるなど、「今だからまだできること」をしておいた方がよいのか。それとももう遅いのか。
 しかし、冒頭で紹介した中国人女性の言葉が本当なら、日本にはまだ「1年半の猶予」があるらしい。だとしたら、それをどう使うか。そこに日本のすべての命運がかかっていると思う。

ツイート出典一覧(2019年10月28日時点)

著者情報

医師

香山リカ

かやま りか

1960年北海道生まれ。東京医科大学卒業。学生時代より雑誌等に寄稿。その後、精神科医として臨床に携わりながら、一般読者向けの著作活動を行う。著書に『女は男のどこを見抜くべきか』(集英社)、『執着 生きづらさの正体』(集英社クリエイティブ)、『「いじめ」や「差別」をなくすためにできること』(ちくまプリマー新書)、『61歳で大学教授やめて、北海道で「へき地のお医者さん」はじめました』(集英社クリエイティブ)など多数。

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