5Gの普及が推し進める「日本人・総受け身化」の予感
香山リカ(医師)
歴史や記憶の消却や忘却。書籍など文字への圧倒的な不信感。
なにも5Gの普及を待たなくても、日本ではすでに「目に見えるできごとにしか興味がない。歴史なんてウソかもしれない。文章、本、文字なんて読みたくもないし信じられない」という変化が起きているのではないか。いや、起きているというより、一部ではもうすっかり定着してしまったのではないだろうか。
そしてこういう状況の中で、さらに「動画化」、「脱文字化」が進み、主体的に何かを調べようとはせずに、AIが勧めるものだけをひたすら受け入れる「受け身化」が進んだら、どんなことが起きるのか。
せめて5Gが普及するまでのあいだに、正しい歴史教育の必要性や文字による知識の重要性を訴えるなど、「今だからまだできること」をしておいた方がよいのか。それとももう遅いのか。
しかし、冒頭で紹介した中国人女性の言葉が本当なら、日本にはまだ「1年半の猶予」があるらしい。だとしたら、それをどう使うか。そこに日本のすべての命運がかかっていると思う。
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