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連載

祖母殺人に見た若者ケアラーの苦難~学費をめぐる家族主義という抑圧

第12回

大内裕和(武蔵大学教授)

 第二に、介護や社会保障、教育への公的予算を大幅に拡充し、日本社会の「家族主義」を弱めることです。介護や社会保障、教育の予算不足や供給不足は、家族の「過剰負担」を常態化させており、そのことが今回のような事件を生み出す土台を形成しています。私の専門分野である教育については、公的予算増加による給付型奨学金の拡充と、高等教育の授業料・学費の減額を実現することが最も有効な政策だと思います。

 ヤングケアラーや若者ケアラーへの支援を充実し、「家族主義」という名の暴力から若者を解放すること、「若者のミカタ」となるために今回の事件から私たちが学ぶべき課題はとても大きいと感じます。

参照 : 毎日新聞「『限界だった』たった1人の介護の果て なぜ22歳の孫は祖母を手にかけたのか」(2020年10月28日)

著者情報

武蔵大学教授

大内裕和

おおうち ひろかず

1967年、神奈川県生まれ。東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得。松山大学教授、中京大学教授を経て2022年度より現職。「入試改革を考える会」代表。「奨学金問題対策全国会議」共同代表。著書に「ブラックバイトに騙されるな」(集英社)、「教育・権力・社会」(青土社)、「ブラック化する教育 2014-2018」(青土社)などがある。

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