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ますます深刻化してゆく教員不足 〜文科省の対策は効果を生むか?

第30回

大内裕和(武蔵大学教授)

 重要なことは、教員不足解決のためとはいえ「特別免許状」や、教員免許を持つ人を採用できない場合に例外的に認められる「臨時免許」の活用に安易に頼らないことです。それは止むを得ない場合にのみ限定して、慎重に実施されるべきでしょう。

 特別免許状や臨時免許に安易に頼ることは、知識や専門能力において十分でない教員が教壇に立つことで教育の質を低下させる危険性があるだけでなく、教職の価値を低下させ、教員不足の解決を遠ざけてしまう可能性すらあります。

 子どもたちや若者を育てる、重要な仕事を担っているのが教員です。創意工夫をこらした授業や日々の交流を通して、子どもたちや若者が成長する場面に直接遭遇することができる教員という仕事には、他の職業にはない素晴らしい魅力や価値があります。教員という仕事がブラックなのではありません。その素晴らしい魅力や価値を失わせているブラックな労働環境こそが問題なのです。

 教員不足を解決するための政策として求められるのは、免許状の「規制緩和」や「ハードルの引き下げ」ではありません。その仕事の重要性に見合った労働条件の改善や待遇の向上を進め、教員という仕事の本来の魅力を再生させる政策以外にはあり得ない、と私は考えます。

 

著者情報

武蔵大学教授

大内裕和

おおうち ひろかず

1967年、神奈川県生まれ。東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得。松山大学教授、中京大学教授を経て2022年度より現職。「入試改革を考える会」代表。「奨学金問題対策全国会議」共同代表。著書に「ブラックバイトに騙されるな」(集英社)、「教育・権力・社会」(青土社)、「ブラック化する教育 2014-2018」(青土社)などがある。

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