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連載

性の商品化問題

雨宮処凛(作家、活動家)

 なんだか「性の商品化」問題について突き詰めていったら、「女子の生きづらさ」の一つの原因までもが浮かび上がる結果となった。
 見た目偏差値、エイジハラスメント、誰かとの比較などなど。また女子の多くは「若い」とされる時期、「とにかく一番価値の高いうちにお前の性を売れ!」という暴力的なメッセージに、さまざまな形でさらされもする。
 この「主流秩序」という言葉について、あなたはどう思っただろうか。
 私は、新しい概念が自分の中に生まれたことによって、自分の生きづらさの一つの要因にたどりつけた気がする。そして性の商品化に対して諸手を挙げてて賛成できない自分の気持ちを、この言葉を使えば、「金払えば、金もらえば、何してもいい」という人たちに、少しだけ、説明できそうな気がする。
 選択してるとか、自己責任とか、お金もらってるからとか、いつもそんな言葉で口を封じられてしまうけれど、その前に私たちは「母国語の文法のように当たり前になっていること」を、いったん根底から疑ってもいいのだ。特に声のデカいオッサンなんかが「好きでやってるんだ」なんて言うけれど、それはそもそも自分に都合のいい正当化をしたいだけではないのか、その確信はどのような根拠に基づくものなのか、と問うていいのだ。
 女子の生きづらさは、言葉を獲得することで緩和されることがある。「主流秩序」という言葉も、そんな一言になればいいのに、と思ったのだった。興味がある人は、伊田さんの著書に『閉塞社会の秘密―主流秩序の囚われ』(2015年、アットワークス)があるので読んでみるといい。
 私もこれから読んでみようと思う。そしてたくさん、言葉を獲得しようと思う。

次回は2016年1月7日(木)の予定です。

著者情報

作家、活動家

雨宮処凛

あまみや かりん

1975年、北海道生まれ。作家、活動家。反貧困ネットワーク世話人。バンギャル、右翼活動家を経て、2000年に自伝的エッセー『生き地獄天国』でデビュー。自身の経験から、若者の生きづらさについて著作を発表する傍ら、イラクや北朝鮮へ渡航を重ねる。その後、格差や貧困問題について取材、執筆、運動を続ける。『生きさせろ! 難民化する若者たち』でJCJ賞受賞。著書に『一億総貧困時代』『「女子」という呪い』など多数。

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