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連載

AVで処女喪失したあの子の死

雨宮処凛(作家、活動家)

 1990年代〜2000年代初めにかけて、私のまわりでは、そんなふうに死にたがってる人たちが、あまりにもあっさりと命を落とすことがよくあった。バブルが崩壊して急速に不況となり、就職氷河期の嵐の中、生存競争は過酷になり、心を病む若者が急増し始めた頃。社会不安は増大し、多くの若者たちが「これからどう生きていけばいいのか」さっぱりわからなくて、だけど自分を責めることしかできなかった90年代。そこに「自分探し」的なものも絡んで、命を落とす人が少なくなかった。
 彼女の死からほどなくして、私に本の出版の話が舞い込んできた。この話を逃したら死ぬ。そう思い、必死で書いて一冊目の本を出し、25歳でデビューとなった。それから5年後、私の師匠である見沢知廉氏はマンションから飛び降りて死んだ。
 27歳で死んだ井島ちづるが生きていたら、もう45歳。本棚の一番目立つ場所に現れた「あの頃」が詰まった本を見ながら、「生き延びたのだ」という事実を今、噛み締めている。

「生きづらい女子たちへ」は単行本準備のためしばらくお休みします。

著者情報

作家、活動家

雨宮処凛

あまみや かりん

1975年、北海道生まれ。作家、活動家。反貧困ネットワーク世話人。バンギャル、右翼活動家を経て、2000年に自伝的エッセー『生き地獄天国』でデビュー。自身の経験から、若者の生きづらさについて著作を発表する傍ら、イラクや北朝鮮へ渡航を重ねる。その後、格差や貧困問題について取材、執筆、運動を続ける。『生きさせろ! 難民化する若者たち』でJCJ賞受賞。著書に『一億総貧困時代』『「女子」という呪い』など多数。

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