コロナ禍での女性のホームレス化〜シェアハウスという落とし穴
雨宮処凛(作家、活動家)
さて、この10年間、このようにゼロゼロ物件や脱法ハウスが批判されてきたわけだが、シェアハウスは批判されることなく、市場はどんどん拡大していった。一般社団法人「日本シェアハウス連盟」によると、19年の時点でシェアハウスは全国に4867棟、部屋数は5万6210室。私の周りにもシェアハウスに住む人は多いし、そこでの交流を楽しみにしている人もいる。
しかし、残念ながら一部には悪質なシェアハウスも存在する。
国交省はシェアハウスの入居者や入居経験者にアンケートを行い、市場動向調査結果 を公開している。それによると、回答者の5割強が女性、また4割が20〜25歳とのこと。事業者も5割弱が「圧倒的に女性が多い」と回答し、最多年齢層として25〜30歳と答えている。
入居者の就業形態はというと、正社員が32.8%、学生が28.3%、アルバイトが12.2%。入居時の平均月収は「収入なし」がもっとも多く18%、15〜20万円が16.9%、10〜15万円が16.6%となっている。入居した動機については、回答者の4割以上が「家賃が安いから」と答えている。
そんなシェアハウスの家賃は、個室だと5〜6万円が29.0%、4〜5万円が24.6%、6〜7万円が18.8%。
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先ほど非正規女性の平均年収が154万円であることを書いた。が、正社員でも20代女性であれば年収200万円台というのは一般的だ。よくシェアハウスは「若い女性に人気」と言われるが、若年女性の中にはシェアハウスに住むしか選択肢がないという人も多くいる。また、一般の賃貸物件のように入居審査が厳しくないのも魅力だろう。
現在、非正規で働く人々やフリーランスは、賃貸物件の審査に落ちることが少なくない。よって一般の賃貸に住みたくてもシェアハウスしか借りられないというケースもあるだろう。
そんな「女性の非正規化」「貧困化」というニーズに応えるようにして増え続けてきたシェアハウス。ここがわずかな滞納で追い出されるなど「ホームレス化の入り口」にならないよう、注視していきたい。そして住んでいる人は今一度、契約内容を確認してみるといいだろう。
4月頃から、都内の各地の炊き出し(ホームレス状態の人に食事をふるまう場)に行っているのだが、リーマンショックとの大きな違いは、炊き出しに女性が並んでいるということだ。一人で、夫婦で、カップルで。そんな光景を見ると、女性には女性に特化した支援が今すぐに必要だと、切に思う。
次回は10月7日(水)の予定です。