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連載

新型ウイルス感染症の影響で広まる不安、混乱はどこからくるのか?

"ここがおかしい"

仁藤夢乃(社会活動家)

 新型ウイルスへの対策は大切だが、私は感染の恐怖以上に、市民生活への影響を想像し切れていない政権の対応に危機感を持っている。私たちの生活についてあまりにも知らない、想像できない人たちが政治を担い、私たちの生活を左右する権限を持っている。この混乱を生み続けている政府の責任は大きい。

落ち着いて冷静な判断を!

 そして、この混乱に乗じて「憲法を改正し、緊急事態条項が必要だ」と、言い始める議員もいる。政府が緊急事態を宣言すれば、国会での審議を行わずに法律を作ったり、国民の権利を制限したりすることができるという大きな権力を政府に与えるというものだ。

 しかし、そうした政治家たちを選挙で選んだのは私たちだ。今回の休校要請で、政治を自分ごとだと気づいた人たちも少なくないだろう。次の選挙では、私たちの暮らし、生活の実態を踏まえた判断をし、誠実で、隠ぺいや改ざんはせずに責任をとる、開かれた政治のできる人たちが多く選ばれてほしい。

 また今回、見えない不安によって私たち人間はこれだけ混乱してしまうのだということも突き付けられた。こういう時だからこそ、冷静に、落ち着いて情報を判断することが大切だ。不安になっている子どもたちや、弱い立場に置かれた人が周りにいたら、声を掛け、正しい情報を分かるように伝えてほしい。もし学校が休みになった影響で、食べるものや居場所に困っている子どもがいたら、児童相談所や支援団体、地域の民生・児童委員の方などに積極的に連絡して状況を伝えてほしい。

 決して弱い立場の人にしわ寄せがいかないように。「この危機を乗り越えましょう」などと呼び掛ける人もいるが、もともと苦しい生活を強いられ、耐えている人たちに、更に負担がいくことになってはいけない。こういう時だからこそ、使える支援や制度は積極的に活用していくことが大切だ。もしも新型コロナの影響で生活に困ったら、積極的に生活保護を利用してほしい。ためらわず行政に相談してほしい。

 今の日本のリーダーは、何が必要か分かっていない。だからこそ、私たち一人ひとりが「困っている」「こんな支援が必要だ」と我慢をせずに声を上げなければならない。この危機的な状況を耐え忍ぶことよりも、皆が自分ごととして声を上げ、政治を変え、市民の手に取り戻していくことが必要だ。

著者情報

社会活動家

仁藤夢乃

にとう ゆめの

1989年生まれ。中高時代に街をさまよう生活を送った経験から、10代女性を支える活動を行っている。これまでに夜の街でのアウトリーチ、シェルターでの保護や宿泊支援、シェアハウスでの住まいの提供といった活動を展開。第30期東京都「青少年問題協議会」委員。厚生労働省「困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会」構成員を務めた。TBS「サンデーモーニング」にコメンテーターとして出演中。著書に『難民高校生』(英治出版)、『女子高生の裏社会』(光文社新書)。

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