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性知識イミダス:性感染症を正しく理解しよう~怖がりすぎず、パートナーと安全なセックスを楽しむために

イミダス編

(構成・文/加藤裕子)

 ただし、尖圭コンジローマ、ヘルペス、ケジラミ等、感染経路が性器周辺にとどまらず、コンドームをつけているだけでは防ぎきれないものもあります。不特定多数の人とセックスしないことも「予防の基本」ですが、「パートナーはひとりだから安心」とは限りません。パートナーの性的な遍歴や過去の交際相手次第ではリスクがあります。「この人は大丈夫」と思い込まず、不安な性行為があれば適切な時期に検査を受け、お互いの性の健康を確認してセックスをしましょう。
 なお、B型肝炎とHPVはワクチンで予防できます。どちらも効果が高く、世界の多くの国で定期予防接種に含まれています。B型肝炎ワクチンは、2016年4月1日以降に生まれた赤ちゃんは定期接種の対象となっている他、成人でもリスクが高い人(パートナーがB型肝炎ウイルスを持っていることがわかっている人、複数のセックスパートナーがいる人、MSM〈=Men who have sex with men、同性間または両性間で性的接触をする男性のこと〉など)は接種することで感染リスクを大きく減らすことができます。
 HPVワクチンは日本では「子宮頸がんワクチン」と呼ばれていますが、男性の中咽頭がんや陰茎がん予防にも有効です。小学校6年生〜高校1年生の女子は原則無料で接種できるのに対し、男性や対象期間を過ぎた女性は自費となってしまいますが、HPV感染予防のためには、一定の年齢になったら男女ともに接種することをおすすめします。接種のタイミングは、初めての性交渉をする前が最も効果的です。

多くは無症状。定期的な検査がおすすめ

 性感染症に感染しても無症状であることは珍しくありません。たとえば、日本で最も多い性感染症である性器クラミジア感染症は、男性の50%、女性の80%が無症状です。症状があっても軽いものが多かったり、すぐに治まってしまったりするため、感染に気づくのが遅れ、症状が進んでしまったり、パートナーにうつすなどして感染を広げたり、卵管や精巣の炎症などを引き起こして不妊の原因になってしまったりもします。
 ですから、明らかな症状が出るのは「ラッキー」なのです。その分早く治療を始められ、早く治すことができます。
 病気にもよりますが、性感染症の潜伏期間は数日から数カ月と幅広く、また、一度治療しても性行為をすれば再び感染する可能性があります。気になる症状があってもなくても、思い当たる性行為をしているなら検査を受けましょう。妊娠を考えている、パートナーがかわった、結婚前の「ブライダルチェック」など、節目節目のタイミングで検査を受けるのもひとつの方法です。
 検査は、自分だけでなくパートナーも定期的に受けることをおすすめします。パートナーが感染していれば、再感染のリスクは常にあり、片方が治っても相手から感染させられる、卓球のラリーのような「ピンポン感染」が続いてしまいます。同時進行で検査・治療し、治癒したことを確認した上で、特定のパートナーと安全なセックスをしましょう。

検査や治療を受ける場所を選ぶポイント

 性感染症の検査(血液検査、尿検査など)は保健所や医療機関ででき、事前に電話で相談できるところもあるので、何か心配なことがあるならまずは問い合わせてみましょう。保健所では無料かつ匿名で検査を受けられますが、検査できる感染症が限られていて、結果が出るまで1~2週間かかることもあります。また、保健所では治療ができないので、症状がある場合は最初から医療機関で受診した方が早く治療につなげることができます。
 医療機関での検査は、費用はかかりますが(受診しようと思う医療機関のウェブサイト等で確認してください)、性感染症専門医療機関であればその日のうちに結果が判明しますし、最近ではオンラインでの診察を行っているところもあります。保健所よりも踏み込んだ問診により、ネットの情報で不安いっぱいになっている受診者を安心させることや、自覚のない症状や感染経路を受診者に思い出してもらうことができるかもしれません。
 性感染症の症状は発生する場所も多岐にわたります。医療機関で受診する場合、性器まわりの異常であれば、性感染症専門医以外では泌尿器科産科・婦人科が選択肢になるでしょう。性器以外の発疹や、のど・耳の痛みであれば、皮膚科耳鼻咽喉科などを受診することもあると思います。ただし、性感染症の症状は他の病気と見分けがつきにくいものも多く、また複数の性感染症に感染していることもあるため、専門的知識や経験がないと的確な診断が難しいのです。もし感染の心当たりがあるなら、性感染症に詳しい医師や性感染症専門医の診察を受けることをおすすめします。

性感染症は恥ずかしいことではない

 性感染症が「性病」と言われていた時代は、いわゆる「遊んでいる」男性の病気というイメージがありました。今でも総数は男性の方が多いですが、梅毒が若い女性の間で流行していることからもわかるように、性別に関係なくかかります。
 また、性感染症は「遊んでいる人」だけがかかる病気ではありません。たった1回の性行為でも、あるいは年齢が何歳であっても、相手が病原体保有者であれば感染リスクが生じます。感染源の特定は、パートナーがひとりであれば容易ですが、以前の交際相手を通じての感染リスクもあります。人と人が接触する限り、性感染症は誰でもかかり得る病気であり、これほど人間性豊かな病気はないと私は思っています。
 自分が性感染症に感染しているとわかったとき、そのことをパートナーに伝えるには勇気がいるでしょう。しかし、パートナーを性感染症から守るためにも、正直に伝えることが大切です。逆に、パートナーから告白された場合、過去よりもふたりの未来を大切にしたいのならば、大きな心を持って責めることはせず、健康なセックスができることを目標としましょう。
 性感染症を正しく理解し、予防の基本を守った安全なセックスをしていれば、過剰に怖がることはありません。大切なのは、不安な行為や感染機会があったとき、「いつ・誰と・どこで・何をし・どんな症状が出たか」を把握しておくことだと、ぜひ心に留めておいてください。

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イミダス編

いみだすへん

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