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嫦娥(じょうが)

松浦晋也(科学ジャーナリスト)

 中国国家航天局(CNSA)が実施している月探査計画の名称。同計画により2007年以降打ち上げ続けている月探査機シリーズの名称でもある。「嫦娥」は中国の神話に登場する月の仙女の名に由来する。20年以上の年月をかけて技術開発を積み上げて、一歩ずつ、より複雑で技術的に困難な探査を実施してきた。

 嫦娥計画は、(1)月周回探査、(2)月面着陸と無人探査車による探査、(3)月土壌のサンプルリターン、(4)月面南極域の無人長期科学探査——という4段階で構成されており、21年2月現在、5号までが打ち上げられている。

 これまでに、①嫦娥3号:米国と旧ソ連に続き世界で3番目に月面軟着陸に成功し、探査車を走らせる、② 嫦娥4号:世界で初めて月の裏側への無人軟着陸に成功、③嫦娥5号:旧ソ連に続き世界で2番目に無人で月面の土壌サンプルを採取し、地球に持ち帰ること(サンプルリターン)に成功——などの成果を上げている。中国はこれらの成果に基づいて、2030年代に有人月探査を実施することも検討している。

著者情報

科学ジャーナリスト

松浦晋也

まつうら しんや

1962年生まれ。慶應義塾大学理工学部卒。同大学院メディア・政策研究科修了。日経BP社勤務(航空宇宙、コンピューター、情報通信などの分野を取材)を経て現職。著書に『国産ロケットはなぜ墜ちるのか』(2004年、日経BP社)『エルピーダは蘇った』(06年、日経BP社)『コダワリ人のおもちゃ箱』(07年、エクスナレッジ)『恐るべき旅路』(07年、朝日新聞出版)『スペースシャトルの落日』(増補版、10年、ちくま文庫)『飛べ!「はやぶさ」』(11年、学研教育出版)『のりもの進化論』(12年、太田出版)、『小惑星探査機「はやぶさ2」の挑戦』(14年、日経BP社)、『はやぶさ2の真実』(14年、講談社)、『母さん、ごめん。 50代独身男の介護奮闘記』(17年、日経BP社)など多数。

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