桜沢さんの描く猫は、猫好きのツボを刺激します。「そうそう、こういう格好をするのよね～」と、なぜか大笑いするのです。不思議です。何度も私をツボにはめた桜沢さんに今日は、我が家に来ていただきました。桜沢さん宅での取材が急きょ、無理になったことと、我が家が近かったことが理由です。よって今回は加藤家の猫たちも登場します。
桜沢 わあ、短毛の猫、久しぶり。何だか新鮮です！
加藤 まる（メス・17歳）とチビ（メス・10歳）です。桜沢さんのところは、今は長毛種を飼っているんでしたよね。まずは今までに飼ってきた猫についてお聞きしたいのですが、最初に飼ったのはいつですか？
桜沢 一人暮らしを始めてからだと21歳くらいですけど、それまでも実家で猫と暮らしていました。最初の猫は、近所のお蕎麦屋さんちで生まれた猫。小学生か中学生の時です。
加藤 やっぱり子どもの頃から猫を飼っていたのですね。桜沢さんの漫画を読んでいて、猫の姿態って言うのかな、形がすごくいいなって思ったんです。猫をよく見ている人は、かわいいところをきちんと押さえていて、猫好きがはまるポイントをよく知っている。だからすごく猫好きなんだなと感じていました。
桜沢 ありがとうございます。猫は形が面白いなとは思います。でも、実は自分から猫の漫画を描こうと思ったわけではないんです。一人暮らしを始めて、猫と突然出会って飼うことになった翌日ぐらいに「猫の漫画を描きませんか」って偶然にも話が来たんです。まだ猫を飼ったことは誰にも話してなかったのに。
加藤 もう運命ですね。
桜沢 そうなんです。それが『シッポがともだち』（集英社）という漫画で、その猫というのがあけみです。だから、あけみは自分の食い扶持も持ってきたんだなと思いました（笑）。
加藤 それはすごいですね！ あの漫画には3匹登場しますよね。
桜沢 あけみとカッチーとベン。みんな雑種の猫でした。その3匹が旅立って、今は長毛種が3匹。
加藤 今の猫たちとの出会いは？
桜沢 2匹はペットショップ、1匹はブリーダーさんの所から来ました。
加藤 じゃあ、血統猫なんですね。
桜沢 一応そうですが、血統種が欲しくて飼ったわけではないから、あんまり関係ないです。私は、以前はお金を出して命を買うのはどうなのかって思ってたんです。でも、あけみとカッチーとベンを看取り、また猫と暮らしたいなと思った時、昔みたいに道ばたでなかなか猫と出会わないんですよ。昔はよくいましたよね、捨て猫とか。
加藤 最近はほんとに見かけなくなりましたよね。
桜沢 偶然の出会いがなかなかないので、保護猫を引き取ろうと思って、保護猫団体に連絡をとったのです。でも、条件がやたらと厳しくて。当時はまだうちの子どもが小さかったから、それでダメだというのです。猫の幸せを思って条件を厳しくしているのはわかります。だけど、うちはこれまでも3匹の猫とずっと暮らしてきたし、子どもたちも赤ちゃんの時から猫と一緒だったから大丈夫ですって、いくら伝えても、5歳以下のお子さんがいらっしゃるお宅には渡せませんって、一方的にバッサリという感じで取り付く島もないというか。5歳以下の子どもがいたって、猫と仲良く暮らしている家はいっぱいあるのに、結構高圧的な態度を取られたので、だんだん不愉快になってきて。
加藤 その気持ち、わかります。私がチビを引き取る時もそうでした。当時は認知症の母と暮らしていたんですけど、家庭訪問をした上で家族全員と面談しないといけないとか。これまで猫の飼育書を何冊も書いてきた私を疑うの？ って（笑）。引き取られた先で飼いきれずにまた捨てられたり、虐待されたりという経験があったのかもしれないので、保護猫団体の想いも理解できるのですが、あまり厳しくしすぎると、引き取れる人が少なくなってしまうんですよね。
桜沢 本当にそうだと思います。だから、うちの場合は、保護猫との出会いは諦めてしまったんです。それで、ペットショップの猫だって、ショーケースにずっと閉じ込められているという点ではかわいそうな猫と変わらないだろうと思った。私はペットショップで出会いを求めるのも悪くないと思うんだけど、命をお金で買うことや、ペットショップで気楽に猫が買えることを反対する声もありますよね。ペットショップで猫が買えるのって日本くらいなんですって？
加藤 欧米ではペットショップでは生きた犬猫は販売しない所が多く、ブリーダーから入手するのがほとんどです。衝動買いをさせないために、私もそのほうがいいと思います。でも、血統種そのものを認めない人たちもいますよね。
桜沢 そうなんですか？
加藤 保護猫がたくさんいるのに、何で血統猫を繁殖させてそれ売るのよということです。そういう考えもあるけれど、血統猫も品種改良して作り出した人類の財産だと思うんですよ。だから私は血統猫を否定しないし、飼いたい人は飼えばいいと思います。
桜沢 保護猫が欲しくても私のように譲ってもらえないこともあるし。
桜沢 グレ（オス・7歳）とルル（メス・7歳）はヒマラヤン、メロ（オス・5歳）は長毛のスコティッシュフォールドです。
加藤 見事にみんな長毛種なんですね。
桜沢 そうなんです。先代の3匹は短毛だったから、長毛っていうのを体験してみたかったというか。
加藤 でも3匹いっぺんにやることないと思うんだけど（笑）。
桜沢 本当に（笑）。抜け毛もブラッシングも大変です。
加藤 長毛は毛がもつれますからね。桜沢さんの漫画でファーミネーターっていうブラシが紹介されてたでしょ？ あれ読んで、私、すぐに注文しちゃいました。そしたら、毛がよく取れること！ うちの猫は短毛だから、調子乗ってブラッシングしてたらはげちゃったくらい（笑）。
桜沢 そうなんです。
血統種を飼うようになった理由
加藤 いらっしゃい。よろしくお願いします。桜沢 わあ、短毛の猫、久しぶり。何だか新鮮です！
加藤 まる（メス・17歳）とチビ（メス・10歳）です。桜沢さんのところは、今は長毛種を飼っているんでしたよね。まずは今までに飼ってきた猫についてお聞きしたいのですが、最初に飼ったのはいつですか？
桜沢 一人暮らしを始めてからだと21歳くらいですけど、それまでも実家で猫と暮らしていました。最初の猫は、近所のお蕎麦屋さんちで生まれた猫。小学生か中学生の時です。
加藤 やっぱり子どもの頃から猫を飼っていたのですね。桜沢さんの漫画を読んでいて、猫の姿態って言うのかな、形がすごくいいなって思ったんです。猫をよく見ている人は、かわいいところをきちんと押さえていて、猫好きがはまるポイントをよく知っている。だからすごく猫好きなんだなと感じていました。
桜沢 ありがとうございます。猫は形が面白いなとは思います。でも、実は自分から猫の漫画を描こうと思ったわけではないんです。一人暮らしを始めて、猫と突然出会って飼うことになった翌日ぐらいに「猫の漫画を描きませんか」って偶然にも話が来たんです。まだ猫を飼ったことは誰にも話してなかったのに。
加藤 もう運命ですね。
桜沢 そうなんです。それが『シッポがともだち』（集英社）という漫画で、その猫というのがあけみです。だから、あけみは自分の食い扶持も持ってきたんだなと思いました（笑）。
加藤 それはすごいですね！ あの漫画には3匹登場しますよね。
桜沢 あけみとカッチーとベン。みんな雑種の猫でした。その3匹が旅立って、今は長毛種が3匹。
加藤 今の猫たちとの出会いは？
桜沢 2匹はペットショップ、1匹はブリーダーさんの所から来ました。
加藤 じゃあ、血統猫なんですね。
桜沢 一応そうですが、血統種が欲しくて飼ったわけではないから、あんまり関係ないです。私は、以前はお金を出して命を買うのはどうなのかって思ってたんです。でも、あけみとカッチーとベンを看取り、また猫と暮らしたいなと思った時、昔みたいに道ばたでなかなか猫と出会わないんですよ。昔はよくいましたよね、捨て猫とか。
加藤 最近はほんとに見かけなくなりましたよね。
桜沢 偶然の出会いがなかなかないので、保護猫を引き取ろうと思って、保護猫団体に連絡をとったのです。でも、条件がやたらと厳しくて。当時はまだうちの子どもが小さかったから、それでダメだというのです。猫の幸せを思って条件を厳しくしているのはわかります。だけど、うちはこれまでも3匹の猫とずっと暮らしてきたし、子どもたちも赤ちゃんの時から猫と一緒だったから大丈夫ですって、いくら伝えても、5歳以下のお子さんがいらっしゃるお宅には渡せませんって、一方的にバッサリという感じで取り付く島もないというか。5歳以下の子どもがいたって、猫と仲良く暮らしている家はいっぱいあるのに、結構高圧的な態度を取られたので、だんだん不愉快になってきて。
加藤 その気持ち、わかります。私がチビを引き取る時もそうでした。当時は認知症の母と暮らしていたんですけど、家庭訪問をした上で家族全員と面談しないといけないとか。これまで猫の飼育書を何冊も書いてきた私を疑うの？ って（笑）。引き取られた先で飼いきれずにまた捨てられたり、虐待されたりという経験があったのかもしれないので、保護猫団体の想いも理解できるのですが、あまり厳しくしすぎると、引き取れる人が少なくなってしまうんですよね。
桜沢 本当にそうだと思います。だから、うちの場合は、保護猫との出会いは諦めてしまったんです。それで、ペットショップの猫だって、ショーケースにずっと閉じ込められているという点ではかわいそうな猫と変わらないだろうと思った。私はペットショップで出会いを求めるのも悪くないと思うんだけど、命をお金で買うことや、ペットショップで気楽に猫が買えることを反対する声もありますよね。ペットショップで猫が買えるのって日本くらいなんですって？
加藤 欧米ではペットショップでは生きた犬猫は販売しない所が多く、ブリーダーから入手するのがほとんどです。衝動買いをさせないために、私もそのほうがいいと思います。でも、血統種そのものを認めない人たちもいますよね。
桜沢 そうなんですか？
加藤 保護猫がたくさんいるのに、何で血統猫を繁殖させてそれ売るのよということです。そういう考えもあるけれど、血統猫も品種改良して作り出した人類の財産だと思うんですよ。だから私は血統猫を否定しないし、飼いたい人は飼えばいいと思います。
桜沢 保護猫が欲しくても私のように譲ってもらえないこともあるし。
長毛種はグルーミングが苦手？
加藤 猫種は何ですか？桜沢 グレ（オス・7歳）とルル（メス・7歳）はヒマラヤン、メロ（オス・5歳）は長毛のスコティッシュフォールドです。
加藤 見事にみんな長毛種なんですね。
桜沢 そうなんです。先代の3匹は短毛だったから、長毛っていうのを体験してみたかったというか。
加藤 でも3匹いっぺんにやることないと思うんだけど（笑）。
桜沢 本当に（笑）。抜け毛もブラッシングも大変です。
加藤 長毛は毛がもつれますからね。桜沢さんの漫画でファーミネーターっていうブラシが紹介されてたでしょ？ あれ読んで、私、すぐに注文しちゃいました。そしたら、毛がよく取れること！ うちの猫は短毛だから、調子乗ってブラッシングしてたらはげちゃったくらい（笑）。
桜沢 そうなんです。
