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学校の先生になりたい人が減っている!? 〜教員不足で露見した過剰労働の現実

第16回

大内裕和(武蔵大学教授)

 部活動を学校から切り離すか否か――根本的な議論に結論が出るまで、すぐにでも取り組める改善策を検討すべきです。そこで、部活動の総量規制はどうでしょうか。例えば活動は週3日までとし、全国大会など「競争」を目指した部活動から、生徒たちの「居場所」となる部活動への転換も顧問教員の過剰労働を抑制することにつながります。

 また、平日よりも立会時間が長い土・日の部活動を規制することも重要です。最低でも週末の2日間連続して教員が立ち会うことは避けさせる、もしくは1日あたりの活動時間を制限する。夏休みなどの長期休暇中も、活動時間・日数に上限を設定することは有効な試みだと思います。 

 次に教員の増員です。公立義務教育校における1クラスあたりの児童・生徒数は「義務教育標準法」(公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律)に定められていて、小学校1学年は35人、小学校2学年〜中学校3学年は40人です 。16年のOECD加盟国の学級規模の平均は、小学校で1クラスあたり21人、中学校で23人となっています。そこで学級規模をOECD平均に近づくように、すべての学校で教員の数を増やしてはどうでしょうか。

 具体的には1クラス20人を目指すべきだと私は考えます。教員数を増やして1クラスあたりの児童・生徒数を減らせば、それぞれの教員の業務量は削減できます。教員が一人ひとりの子どもと向き合う時間も増え、教育の質の向上にもつながります。

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 教育の新自由主義改革によって増加・煩雑化している教員の事務作業に歯止めをかけることも必要です。これは事務職員などの増員で対応できると思います。

 そして、何といっても給特法の廃止または抜本見直しです。給与総額の4%という「教職調整額」の元になったデータは、旧文部省の「教員勤務状況調査」(1966年)です。当時の教員の超過勤務時間は、小・中学校で週あたり平均1時間48分でした。つまり「教職調整額」自体、現在の教員労働の状況に全く見合っていないのです。給特法の廃止または抜本見直しによって、超過勤務手当を支払う仕組みになれば、追加人員の補充や業務の削減に行政が必死で取り組まざるを得なくなります。それは教員の過剰労働を是正する大きな力となるでしょう。

 子どもや若者を育てる教員という仕事は、社会全体にとって重要です。教員不足を生み出すほど労働環境を悪化させてしまったことに、私は教育研究者の一人として強い責任を感じています。労働環境を一刻も早く改善し、教員が若者にとって「希望ある仕事」となるよう尽力していきたいと思います。

著者情報

武蔵大学教授

大内裕和

おおうち ひろかず

1967年、神奈川県生まれ。東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得。松山大学教授、中京大学教授を経て2022年度より現職。「入試改革を考える会」代表。「奨学金問題対策全国会議」共同代表。著書に「ブラックバイトに騙されるな」(集英社)、「教育・権力・社会」(青土社)、「ブラック化する教育 2014-2018」(青土社)などがある。

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