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連載

日本と韓国の女地獄

雨宮処凛(作家、活動家)

 満席の紀伊國屋ホールを埋め尽くしていたのは、多くが若い女性だった。マスコミ席には、ファッション雑誌『VOGUE JAPAN』もいれば、政治や社会問題を扱う雑誌『週刊金曜日』もいて、今にも時空に歪みが発生しそうだった。

 舞台の上で、チョさんはろうそく革命や女性たちが声を上げている韓国の現実に触れ、「自分たちは、声を上げれば世の中が変わると体感している世代」と口にした。そうしていくつかの事例を紹介した。性差別発言をした有名人に女性たちが抗議し、発言を撤回させた例。盗撮反対デモが開催されたこと。「#MeToo」加害者が実刑判決を受けたこと。みんなそれを見ているから、声を上げれば世の中が変わると体感していること。

 1978年生まれのチョさんは、私より3歳下だ。そんな彼女がろうそく革命やフェミニズムのムーブメントを語り、「被害者への連帯」が大切だと口にし、「私たちは社会を変えられると共有している世代」とまっすぐ言う。活動家ではなくて、ベストセラー作家がそう口にする。そんな姿が、ただただ眩しかったのだった。

 これからも、韓国のフェミニズムからは目が離せない。そしてそこには、私たちが今日から使えるヒントが詰まっているのだ。

※そんな韓国の動きに刺激され、私も女子にまつわる呪いについて『「女子」という呪い』という本で書きました。本書では、韓国のフェミニストグループ”ロリータ・パンチ”にも取材しています。ぜひ! 

次回は4月3日(水)の予定です。

著者情報

作家、活動家

雨宮処凛

あまみや かりん

1975年、北海道生まれ。作家、活動家。反貧困ネットワーク世話人。バンギャル、右翼活動家を経て、2000年に自伝的エッセー『生き地獄天国』でデビュー。自身の経験から、若者の生きづらさについて著作を発表する傍ら、イラクや北朝鮮へ渡航を重ねる。その後、格差や貧困問題について取材、執筆、運動を続ける。『生きさせろ! 難民化する若者たち』でJCJ賞受賞。著書に『一億総貧困時代』『「女子」という呪い』など多数。

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