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だるい、眠い、やる気出ない……。ウツ? 気圧? 更年期? と思ったら難病だった

雨宮処凛(作家、活動家)

 さて、このように以前から不調があったのだが、それにやっと「シェーグレン症候群」という名前がついたのだ。そう思うと、安堵の方が大きかった。原因不明の倦怠感やまぶたの腫れの方が怖いと言えば怖い。

 結局、近くの病院から膠原病の専門病院を紹介され、9月はじめ、病院へ。

 何度も通って血液検査や唾液検査、手のレントゲンや唾液腺の超音波検査などいろんな検査を何日にもわたって受けた。

 また、「失明の副作用がある薬を飲むことになるかも」という恐ろしいことを聞かされ、眼科の検査も受けたのだった。

 マラリアかなんかの薬がシェーグレン症候群にも効くとのことだが、視野が狭くなり、最悪失明に至るという副作用があるらしく、それを飲むなら半年とか1年に一度、眼科の検査が必須とのこと。で、薬を飲んでない状態での検査をしておくことが必要らしい。

 視野検査を含めたすべての眼科検査は2時間ほどにわたるもので、痛くも痒くもないものの、否応なく病人気分が高まってくる。ちなみに涙の量を測る検査もしたのだが、やはり眼科的にもシェーグレンに該当するとのこと。

 と、さらっと書いたが、ここまでで、私はかなり疲弊していた。

 なんたって、病院に行くとなんだかんだで半日は潰れる。行ったら行ったでまた次の検査が入る。とにかく時間が莫大に取られる上、お金もバカにならない。ここまででおそらく3~4万円は飛んでいたのではないか。自分の免疫が勘違い野郎であるというだけで、人生、どんだけ損してきただろう。アトピーと鼻炎、喘息で月に1万円くらいはかかるというのに、さらに上乗せしなければならないのだ。なんだか納得いかない。 

 ちなみに私がなぜ、こうして病気のことを書いているかというと、なんのことはない、治療費のモトをとりたいからである。これまでの四半世紀、アレルギー三重苦やいじめられ経験をはじめ、人生で起きたマイナスをネタにしてプラスマイナスの帳尻を合わせ生活費に替えてきた。その一環だ。そうでもしなきゃ、やってられないではないか。

 もうひとつ、「シェーグレン症候群」という名前がカッコいいということもある。

 私は1歳でアトピーを発症。以降、ずっとその症状に苦しめられてきたのだが、症状だけでなく、アトピーの「ピー」という語感の真剣味のなさにも苦しめられてきた。おそらくもっとおどろおどろしい名前だったら同情や心配もされるのだろうが、なんだか軽いアトピーの「ピー」。40代以上でバンドブームを知る身なら、AURAのギタリスト「龍巻のピー」くらいにフザけてるネーミングではないか(つか、今検索して、龍巻のピーが13年に死去していることを知って激しいショックを受けている)。

 それに比べて「シェーグレン症候群」のクールな語感、「膠原病」の重厚感よ。

 さて、このようにシェーグレン症候群デビューした私だが、診断から3カ月後の現在、むちゃくちゃ元気に過ごしている。前よりずっと体調はいい。

 副作用が「最悪の場合、失明」という薬は飲んでいない。今処方されているのは2種類の目薬と、口渇にいいという漢方だ。

 ちなみに鼻の粘膜は夏の終わりと同時に再び乾燥、また鼻血が出てきたので耳鼻科で相談したところ、「とにかくオメガ3のサプリをとれ」と言われたので飲んでいる。今のところ、これで改善されているっぽい。

 シェーグレン症候群は、中年女性に多い病気だという。そして、自分がそうだと気づいていない人が圧倒的に多いということだ。私もまさか、「まぶたの腫れ」によって膠原病に気づくとは思わなかった。

 ちなみに治療を始めて以来、まぶたの腫れはほとんどない。原因は不明だが、腫れとセットの倦怠感もほぼ収まった。顔の治安が安定しているだけで人はこれほど爽快で前向きになれるのだと驚く日々である。そうして毎日元気に飲酒もしている。

 ということで、私の体験が誰かの役に立てばと思い、書いた。

 謎の不調があるという人、特に女性は、膠原病の可能性も頭に入れておくといいかもしれない。

著者情報

作家、活動家

雨宮処凛

あまみや かりん

1975年、北海道生まれ。作家、活動家。反貧困ネットワーク世話人。バンギャル、右翼活動家を経て、2000年に自伝的エッセー『生き地獄天国』でデビュー。自身の経験から、若者の生きづらさについて著作を発表する傍ら、イラクや北朝鮮へ渡航を重ねる。その後、格差や貧困問題について取材、執筆、運動を続ける。『生きさせろ! 難民化する若者たち』でJCJ賞受賞。著書に『一億総貧困時代』『「女子」という呪い』など多数。

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