DV加害者が潜伏した母子生活支援施設で問われるもの
仁藤夢乃(社会活動家)
Colaboでも、Colaboとつながる前までは、今日何を食べ、どこで寝るか、その日を生きることで精いっぱいだった少女たちが、体を売らなくても生活できる環境を得てはじめて被害を認識することも多く、その傷やトラウマに向き合うことは容易ではない。シェルターで、自身のこれまでやこれからを考える時間ができた時、痛みや怒りを感じるようになり、心身に不調が出ることもある。その痛みや怒りを分かち合ったり、社会の構造的な暴力を共に見つめる他者との出会いや関わりを通して経験を再解釈したりして、自分に力があることを認識していく。それには何年もかかる。当然のことだ。
そのような関わり方は、簡単ではない。だけど、とても大切だ。そうした支援のあり方が、日本社会には欠如している。あまりにも福祉に予算がつけられていない。福祉が恩恵ではなく人権保障だという社会の共通認識もない。
今、私たちが建設を目指して寄付を呼びかけている女性人権センターは、虐待や性搾取の中にいる少女たちが暴力から逃れ、安心して過ごせる場所を得て、時間をかけて傷をいやし、他者や自分自身への信頼を取り戻して回復していく、女性の尊厳を守る活動の拠点にしたい。虐待やDV、性搾取の実態や女性の人権について、市民が学び、経験や痛みを共有し、女性差別に抗うつながりを生み出したい。
冒頭に挙げたような事件が起きた時にも、個人の責任に矮小化するのではなく、共に声を上げられる場所にしたい。女性たちが集い、暴力に怯えず活動できる拠点をつくりたいと思っている。