性知識イミダス:今話題のフェムテックは女性のからだをどう変えるのか?
イミダス編
(構成・文/加藤裕子)
イベントでは、普段はなかなか目にすることが少ないフェムテックの商品を実際に手に取ることもできる。4月にオープンした同社のオンラインショップでも、韓国のヘルスケアブランドが開発したオーガニックコットンの吸水性サニタリーショーツ、スマートフォンと無線接続できる骨盤底筋トレーニングデバイス、シンプルでシックな色使いの充電式セックストイなどが並び、今後は医療機器なども販売していく予定だ。
「私たちのショップで取り扱っている吸水性サニタリーショーツにはあえてナチュラルな色の商品があるんです。このショーツは特殊な構造で、生理用品をつけなくてもタンポン2本分ぐらいの経血を吸収できるのですが、私だったら血の色が目立たない黒や濃い色を選びます。でも、『自分の経血量がどれくらいなのか、どんな色をしているのか、ということをきちんとチェックして、自分のからだのことを知ろうと思う人に勧めたい』というポリシーがあって、メーカーはあえてナチュラルな色のショーツをつくったのだそうです。『なるほどな』と思いましたし、実際、このショーツを購入されたお客様からも『これまで生理期間中にどれだけナプキンを消費するかなんて考えたこともなかったけれど、ショーツを使うことで経血の量がわかるようになったので、必要な枚数を計算しています』という感想をいただいています」(中村さん)
生理用品といえばナプキンとタンポンのほとんど二択しかなかったなか、こうしたサニタリーショーツを使い始めた女性たちからは、ムレやかゆみが減り、生理用品の交換から解放されたことなどで、『次の生理が楽しみになった』という声も上がっているという。フェムテック商品の登場が、ネガティブになりがちな生理への向き合い方に変化を起こしつつあるということだろう。

上:アプリに連動する骨盤底筋トレーニングデバイス
下:オーガニックコットンの生理用ショーツ
日本のフェムテックの今後
ここ1~2年で「フェムテック」という言葉自体は浸透しつつあるが、今後、日本でフェムテックがさらに盛り上がるためには何が求められるのだろうか。
「ひとつには、日本独自のニーズを明らかにすることだと思います」とAminaさんは言う。「日本でフェムテック関連の起業を考えている方に話を聞くと、欧米の企業が出しているものを日本でもつくりたい、という話が多いんです。でも、たとえばセクシャルウェルネス(安全かつ喜びを伴う性体験を含む性の健康)という分野は、それぞれの国や地域によって捉え方が異なりますから、欧米型のセックストイを日本にただ紹介するだけでは、日本人女性のニーズに応えているとは言えない部分も出てくるでしょう。それよりは、どれだけ日本という国の文化に即したものをつくれるか、というところが鍵になると思っています」
そうした日本独自のフェムテックが登場するには、当の女性自身が自分たちのからだを見つめ直すことが必要になるだろう。生理用品ひとつ取っても、これまで当然と思ってきた不便さが新しい技術や発想によって変わっていく。きっとこれから、まだまだたくさんのニーズが発見されていくはずだ。フェムテックのイベントに参加してみたり、実際にフェムテックの商品を使ってみたりすることで、女性のからだをめぐるタブーがプラスに変わるきっかけが生まれていくかもしれない。