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性知識イミダス:日本で選べる避妊法~データ編

イミダス編

(構成・文/加藤裕子)

 私たちがいま選ぶことのできる避妊法には、どんなものがあるのだろう。避妊の仕組みは、確率は? 正しい使い方は? 身体的な、経済的な負担は? ピルやコンドーム、子宮内避妊具、緊急避妊薬など、主な避妊法をわかりやすくまとめた。〈監修:遠見才希子医師(産婦人科医)〉

遠見才希子医師(産婦人科医)

【世界で使われているスタンダードな避妊法や、日本の避妊状況の問題点について、産婦人科医の遠見才希子医師にうかがった「性知識イミダス:避妊の基礎知識を知ろう」はこちら!】

男性用コンドーム

〈避妊の仕組み〉
 ペニスにかぶせて、精子が腟内に放出されないようにする。

〈入手方法〉
 ドラッグストア、コンビニ、薬局、ネット等で購入できる。

〈費用〉
 1個あたり30円~100円程度

〈選び方〉
 ラテックス製、ポリウレタン製などの素材があり、サイズ展開も豊富。自分のペニスの太さ(直径)に合うサイズを選ぶこと。薄さの違いや形、潤滑ゼリー付きなど様々なタイプがあり、メーカーによる特徴も含めて、幅広い選択肢がある。

〈正しい使い方〉(日本コンドーム工業会CAPプロジェクト参照)
・パッケージから取り出すときは、中身を端に寄せて、コンドームを傷つけないようにする。
・勃起した状態のペニスにつける。
・表(外側)と裏(ペニス側)を確認し、爪で傷をつけないように精液だめの空気を抜く。裏表につけてしまった場合、精液などが付着した可能性があるのでそのコンドームは捨てて、新しいものをつける。
・勃起したペニスの包皮を根元までたぐり寄せる。
・コンドームを途中まで巻きおろす。包茎の場合は、コンドームの根元を持って根元で余っていた皮を亀頭方向に伸ばす。
・現れた包皮をコンドームで覆い、根元まで巻きおろして完了。
・射精後すみやかに、コンドームの根元を抑えながらペニスを抜く。
・コンドームを外し、しばって精液がもれないようにし、ティッシュなどにくるんで捨てる。

日本コンドーム工業会提供の図をもとにイミダス編集部作成

〈注意点〉
・セックスの途中からではなく、最初から(挿入前、性器の粘膜や皮膚が相手の粘膜などに触れる前)装着する。
・使い慣れていないと失敗につながることがあるので、初めてのセックスでいきなり使うのではなく、事前に一人で練習しておくとよい。
・財布やポーチなどに入れると劣化・破損の原因になるので、アルミケースなどのハードケースで保管する。高温多湿、直射日光が当たる場所での保管も劣化の原因に。
・使用時、油性のローションやハンドクリームに触れると劣化・破損の原因になる。
・使用期限内のものを使う。
・破れやすくなるので、二枚重ねで使わない。
・開封時や装着時に爪などで傷つけないようにする。
・再使用しない。

 

低用量ピル

〈避妊の仕組み〉
 ピルに含まれている女性ホルモン(エストロゲン=卵胞ホルモン、プロゲステロン=黄体ホルモン)の働きで排卵をストップさせる。日本ではOC(Oral Contraceptives 経口避妊薬。避妊目的、自費)LEP(Low dose Estrogen Progestin 低用量エストロゲン・プロゲスチン配合剤。治療目的、保険適応)の区別がある。LEP製剤にもOCと同様に避妊効果があり、海外では避妊薬として使用されている(ただし、「ルナベルULD」「フリウェルULD」については避妊効果の検証はされていない。緑色の文字は登録商標、以下同)。
 また、日本では混合ピル(エストロゲン・プロゲステロンの合剤)のみが認可されており、ミニピル(POP:Progesterone Only Pill。プロゲステロン単剤のピルで、血栓症リスクが高い人でも使用しやすい)は未承認。日本で認可されているプロゲステロン単剤には「ノアルテン」「ディナゲスト」などがあるが、ホルモン含量が多いため厳密にはミニピルに分類されない。

〈入手方法〉
 医師の処方箋が必要で、婦人科(産婦人科)など病院・クリニックを受診する。オンライン診療に対応している病院もある。

〈費用〉
OC(避妊目的):自由診療(自費)で1シート約2000円~3000円
LEP(治療目的):保険適用で3割負担の場合、1シート約700円~2500円

 これに診察料や調剤料などが加わる。先発薬か後発薬(ジェネリック)によっても費用が異なる。自由診療の場合は医療機関ごとに自由に設定される。

〈注意点〉
・毎日決まった時間に飲む。
・飲み忘れがあると不正出血を生じたり、避妊効果が減弱したりする。
・米国食品医薬品局の調査によると、女性1万人あたりの血栓発生リスクは、ピルを服用していない場合は年間1〜5人であるのに対し、ピルを服用中ならば年間3〜9人となる。ちなみに、妊婦の血栓発生リスクは年間5〜20人。ピル服用による血栓発生リスクはこれよりも低いが、喫煙中、肥満、40歳以上など血栓症のリスクが高い女性のピル服用については医師と相談を。
・飲み始めて2〜3カ月はマイナートラブルと呼ばれる、吐き気、頭痛、めまい、乳房の張り、むくみなどを感じることがあるが、服用を続けるうちにおさまっていくことも多い。

〈ピルの特徴〉
 ピルには「休薬期間の錠剤の有無」や「1錠ごとのホルモン含有量」など様々な特徴があり、「OC・21錠タイプ・第三世代・一相性」など、さまざまな種類がある。自分と相性の良いピルを探すことで、服用を続けやすくなる。ピルの特徴は以下のように分類される。

【休薬期間の錠剤の有無】
21錠タイプ:21日実薬を飲んで7日休薬する。
28錠タイプ:21日実薬を飲んで7日偽薬(有効成分が含まれていない飲み忘れ防止のための錠剤)を飲む。

 ピルは1周期(1シート)28日が基本。24錠実薬を飲んで4錠偽薬を飲むタイプや、休薬期間がないタイプもある。

【1錠ごとのホルモン含有量】
一相性:1錠ごとのエストロゲン、プロゲステロン含有量がすべて同じ。飲み忘れや月経移動の際の対応がしやすい。
三相性:1錠ごとのエストロゲン、プロゲステロン含有量が3段階(6日間、5日間、10日間など)で異なる。

 自然なホルモン動態に似せて生理的と言われてきたが、一相性と比べて特に効果は変わらないとされる。

『改訂版 女性のためのピルの本』(2019年、幻冬舎)などをもとにイミダス編集部作成

【エストロゲン含有量】
低用量ピル:30〜50μg(マイクログラム。1μg=100万分の1g)。
超低用量ピル:30μg以下。吐き気などエストロゲンによる副作用は少ないといわれている。

【含まれているプロゲステロンの種類】
第一世代:ノルエチステロン(NET)
第二世代:レボノルゲストレル(LNG)
第三世代:デソゲストレル(DSG)
第四世代:ドロスピレノン(DRSP)

 開発の順番により、4つの世代区分がある。新しい世代になるにつれて、プロゲステロンの副作用(むくみ、吐き気)は少ないといわれているが不正出血の頻度は増えるなど、世代によって違いがあるので、3カ月以上使用しても吐き気、頭痛、むくみ、不正出血などのマイナートラブルが改善しない場合は、異なる世代のピルに変えると症状が落ち着くことがある。
 なお、血栓症のリスクは、第一世代、第二世代よりも第三世代、第四世代の方が少し高くなる。

【消退出血を毎月起こすか、起こさないか】
周期投与:毎月休薬期間をとって、消退出血を起こす。(出血の量は少なくなったり、ほとんど出なくなったりする人もいる)
連続投与:毎月の休薬期間をとらない方法。例えば120日間飲み続け、年3回だけ休薬期間をとり、そこで消退出血を起こす。

「通常、排卵が起きるとエストロゲンとプロゲステロンが上昇し、妊娠しなければそれらが低下し月経が起きます。このようなエストロゲンとプロゲステロン低下による出血を消退出血と呼びます。ピルはエストロゲンとプロゲステロンの配合薬であり、休薬するとそれらが低下し、消退出血が起きます。医学的には、ピル内服中にあえて毎月出血を起こす必要性はありません。日本ではまだ周期投与が多いですが、海外では連続投与が主流です」(遠見先生)

●主なピルと特徴

『改訂版 女性のためのピルの本』(2019年、幻冬舎)などをもとにイミダス編集部作成

IUD(IntraUterine Device 子宮内避妊用具)

著者情報

イミダス編

いみだすへん

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