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連載

「悪質ホスト問題」ではなく「ホスト問題」だ 〜表面的な対策で性搾取の手口を温存?

“ここがおかしい”

仁藤夢乃(社会活動家)

 どうも権力者同士で今の地位や男社会を守り合い、女性が利益をもたらしてくれるこの街のありようは維持したいと考えているようだ。だから表面的な対策のみで、本質を覆い隠そうとするのだろう。そうした街では、男たちも安心して買春ができる。少女や女性たちを「安く」「気軽に」買えることが評判となり、大学生やサラリーマンが2人連れどころか5、6人の団体連れで楽しそうに買春しに来たり、世界中から買春男が訪れたりもしている。昨今は警察や行政、メディアがしきりにこの問題を騒ぎ立てているので、警戒した買春者は目立たず行動するようになっているが、しばらくして話題性が薄まればまた戻ってくるだろう。

 北欧やフランス、韓国などでは買春者や業者を処罰し、性売買の中にいた女性には処罰ではなく医療的、心理的、法的、経済的、教育的なケアをして人権と生活保障を基盤に脱性売買支援を行う法律がある。日本でも「買春者処罰法」こそ必要であり、女性が性売買しなくても生きていけるように国が責任を持って動くべきだ。そのためにも表面的な対策で業界を守る流れには騙されず、現実に何が起きているのかを知ることが必要だ。少女や女性たちへの性搾取の実態を覆い隠したい――そう考えている人が結構多いことも、私たちは知っておかなければならない。

著者情報

社会活動家

仁藤夢乃

にとう ゆめの

1989年生まれ。中高時代に街をさまよう生活を送った経験から、10代女性を支える活動を行っている。これまでに夜の街でのアウトリーチ、シェルターでの保護や宿泊支援、シェアハウスでの住まいの提供といった活動を展開。第30期東京都「青少年問題協議会」委員。厚生労働省「困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会」構成員を務めた。TBS「サンデーモーニング」にコメンテーターとして出演中。著書に『難民高校生』(英治出版)、『女子高生の裏社会』(光文社新書)。

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