政治を作るのは私だ!と床を踏み鳴らした。「選挙と政治と私と」
和田靜香(音楽/相撲ライター)
同様に、今、代表選挙が始まってからSNSを見ていると、自らリベラルを標榜し、野党を応援して政権交代を目指しているはずの有権者たちが、候補者4人をそれぞれ罵っている。ああ、私もこうしてきたなぁと改めて反省する。意見を言うのはもちろん大事。この人はこう言っているけど、こうじゃないか? この方がいいと思う――そういう建設的なものは言うべきだと思う。私たちはすぐに「こいつは~~だからダメだ」「こんな奴ありえない」と、具体的な意見を言うでなく、ただ気に入らないからと文句をつけてしまいがちだ。また政策を読みつつも、全体像を把握できないままに一部だけを切り取って「こうだからダメだ」とか、とにかく、ダメだダメだと言ってしまう。簡単にノーを言いすぎる。「政治が悪いから、政治家のせいだ」と相手任せにする。
私たち有権者が100%完璧ではないように、政治家だって完璧ではありえない。足りないところは、私たち主権者が声をあげて補っていくことが最も大切だ。だから、私たち側だって、学んでいかなければならない。私は学びをこれまでまったくしてこなかった。でも学び始めてから、今も学びを続けている(それは、ただ読書することが主だけど)。学び、意見を言う。それで初めて民主主義は動きだすんじゃないのかな? 今の政治を変えられないのはなぜか? 政権交代がなぜできないのか? それは私たちが学んでこなかったからもあると思う。
でも、そんな時間はない? それもそうだ。生活は苦しい。なのに忙しい。私もずっとそうだった。1日7時間も立ったまま働いて、帰ってきてから難しいことなんて考えたくない。新聞なんて読みたくないし、耳ざわりのいいことだけ聞いていたい。
ただ、自分が生きる土台を自分が整えなければ、誰が整えてくれるのだろう? 生活の基盤を整える、って大事なことだ。それを、少しだけ、想像してみるといいかもしれない。苦しいのは私たちのせいじゃない。そのほとんどは政治のせいだ。だから、それを変えるため、少しだけ土台を見直していこう。大きな声で、手を振り上げては言わない。小さな声で、肩をポンポンと叩いて、ね、そうしようよ、と私は言いたい。

12月20日発売予定の和田さんの近刊(左右社)
著者情報
音楽/相撲ライター
和田靜香
わだ しずか
1965年千葉県生まれ。音楽評論家・作詞家の湯川れい子のアシスタントを経てフリーの音楽ライターに。趣味の大相撲観戦やアルバイト迷走人生などに関するエッセイも多い。著書に『スー女のみかた 相撲ってなんて面白い!』(シンコーミュージック)、『音楽に恋をして♪ 評伝・湯川れい子』(朝日新聞出版)、『ワガママな病人vsつかえない医者』(文春文庫)、『おでんの汁にウツを沈めて~44歳恐る恐るコンビニ店員デビュー』(幻冬舎文庫)、『東京ロック・バー物語』(シンコーミュージック)などがある。近著『時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか? 国会議員に聞いてみた。』(左右社)が話題。