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学校現場からのSOS!~新型コロナ禍で教職員も子どもたちも疲弊している

第8回

大内裕和(武蔵大学教授)

 授業時間の大幅な増加によって、「進度の遅れ」を短期間で解消しようとすることも避けるべきでしょう。入学試験は出題範囲の制限や選択式の出題を行うなどの工夫で、受験する学年の学習量負担を軽減し、全学年が単年度で遅れを取り戻すのではなく、複数年を掛けて着実に遅れ分を埋めていく方法が学校教育として望ましいと私は考えます。

 そして教育現場の「3密」状態を回避するには、教職員増員による「少人数クラス」の実現が必要不可欠です。現在の「40人」を基準とするクラスではなく、「20人」を基準とすることによって、教育現場の「3密」状態を可能な限り解消し、子どもたちの感染リスクを下げることが望まれます。

 少人数クラスの利点は「3密」状態の回避だけではありません。生徒の人数が少なくなることによって、授業においても生徒指導においても、教職員が子どもたち一人ひとりに丁寧に向かい合うことが可能となります。授業時間増加によって形式的に「時数を消化」することに注力するのでなく、一人ひとりの子どもたちに、学習内容がしっかりと定着する方向へと転換することが求められます。

◆◆

 再開された教育現場からのSOSは、「コロナ災害」以前から深刻だった「教員の過剰労働」「詰め込み教育」「多人数クラス」など、日本の学校教育の問題性をより一層あらわにしています。疲弊している教職員と子どもたちを助けるためには、「十分な予算と人員」を学校現場に一刻も早く投入する必要があります。

 今こそ、教育現場からのSOSに耳を傾け、私たちが動き出すことが強く求められているのです。

著者情報

武蔵大学教授

大内裕和

おおうち ひろかず

1967年、神奈川県生まれ。東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得。松山大学教授、中京大学教授を経て2022年度より現職。「入試改革を考える会」代表。「奨学金問題対策全国会議」共同代表。著書に「ブラックバイトに騙されるな」(集英社)、「教育・権力・社会」(青土社)、「ブラック化する教育 2014-2018」(青土社)などがある。

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