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連載

迷いと葛藤を乗り越え、混乱のアフガニスタンへ(2021年8月)

白川優子(看護師)

 チャーター機のエンジンが動き始めた。座席からの振動が一瞬にして全身に行きわたる。その振動で、私の魂までもが刺激されたようだ。窓の外のプロペラが回り始めたのと一緒に、私の心の奥底からも何かが湧き上がってきた。懐かしい。現場の匂いが感じられてきた。

「MSFの存在と、活動の継続は、こんな時であっても現地の人々のためにとても重要だ」

 活動責任者の言葉が蘇り、エネルギーが身体を巡回し始めた。
 カブール空港での爆破テロが世界中でニュースになっていた日、私たちはアフガニスタンに向けて出発した。

著者情報

看護師

白川優子

しらかわ ゆうこ

1973年、埼玉県出身。小学1年生で「国境なき医師団」にあこがれる。高校卒業後、坂戸鶴ヶ島医師会立看護専門学校を卒業して看護師となる。日本で外科・産婦人科を中心に看護師として計7年間勤務。2003年にオーストラリアに渡り、06年にオーストラリアン・カソリック大学看護学部を卒業。その後、現地の病院で手術室などを中心に4年にわたり勤務。2010年、37歳で念願の「国境なき医師団」に参加。外科チームの手術室看護師として、シリア、イエメン、南スーダン、パレスチナ(ガザ地区)、ネパールなど、紛争地や被災地を中心に活動。2018年7月時点で9カ国、17回の派遣経験を持つ。著書に『紛争地の看護師』(2018年、小学館)がある。

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