性知識イミダス:男性特有の病気~男性生殖器が関わる泌尿器科系疾患について知ろう(基礎知識編)
イミダス編
(構成・文/加藤裕子)
治療:尿を通りやすくしたり、前立腺を小さくしたりする薬を用いる。薬物治療で改善が見られなかったり、進行して腎機能障害などを起こしていたりする場合は、手術で前立腺を切除、もしくはレーザー治療を行う。なお、症状の緩和には、水分を取りすぎない、コーヒーやアルコールを控える、適度な運動など生活習慣の見直しも役に立つ。

医療情報科学研究所編『病気がみえる vol.8 腎・泌尿器』(2012年、メディックメディア)などをもとにイミダス編集部作成
前立腺がん
【こんな症状があったら要注意!】50歳以上でPSA(前立腺特異抗原)測定値が4ng(ナノグラム)/ml以上
特徴:近年増えているがんで、男性では現在罹患数1位だが、死亡数では6位にまで下がる。増加の理由は、高齢化や食生活の欧米化、PSA検査の普及で見つけやすくなったことなどが考えられている。遺伝リスクもある。初期はほとんど無症状のため、PSA検査で発見されることが多い。進行は比較的遅く、症状が出ないまま前立腺がん以外の原因で死亡するケースも見られる。
前立腺内にとどまった早期の前立腺がんでは、主に手術や放射線治療が選択され、前立腺周囲に浸潤したり、骨やリンパ節、他臓器へ転移したりした進行前立腺がんでは、ホルモン療法や化学療法などが選択される。手術方法は腹腔鏡手術やロボット手術など体に負担が少ないものが開発されている。これらの治療により、勃起障害、射精障害や尿もれ(腹圧性尿失禁)などの後遺症が生じることが多いが、薬物等で治療することができる。また、勃起機能温存を希望する場合は、手術時に海綿体神経の温存を行う。
症状:がんが前立腺内にとどまっている初期は、多くが無症状だが、尿の出が悪い、頻尿などが見られることもある。これらの症状は前立腺肥大症とよく似ており、実際に前立腺肥大症を合併している場合もある。がんが前立腺の周囲(尿道や膀胱)に浸潤すると血尿が出たり、骨に転移すると骨の痛みや骨折が起こったりする。
治療:前立腺内にとどまった早期の前立腺がんでは、主に手術や放射線治療が選択される。がんが小さく悪性度が低い場合は、治療せずに経過観察することもある。前立腺の周囲に浸潤したり骨やリンパ節、他臓器へ転移したりした進行前立腺がんでは、ホルモン療法や化学療法などが選択される。